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2018/03/18

"夢の中から密輸しようとした話"




"夢の中から密輸しようとした話"




その夢の中で、私は「ある物」を現実の世界に持ち出そうとしていた。



その「ある物」は手の中に収まるほどの大きさで、夢の中でしか算出されない貴重な宝らしい。

その宝を手に入れた幸福感と、自分が夢の中にいるという冷めた気持ち、そして「夢の中の物を持ち出すという罪悪感」が入り混じり、

私は焦っていた。



どうやってこれを持ち出そう。




結局その方法を思いつかず、とうとうあきらめてしまったのだが、目覚めてから、

「密輸に失敗した残念な気持ち」が強く残っているのに、あれほど執着した「ある物」が何だったのか少しも思い出せないのだ。



-黒塚直子-










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