『食べ物は万物である。 しかし、万物は常に食べ物であるわけではない。』
序文からクロス張りの本の世界に一気に引き込まれます。
この本は、世界のベストレストラン第1位に4度選ばれたレストランについての本。
そのレストランの名はデンマーク•コペンハーゲンにあるNOMA。
北欧の、デンマークの料理ってどんな料理?
この本を読む前にはサーモンなどの魚介類やトナカイ?など、獏としたイメージが浮かびました。
フランス•イタリア•スペインではなく、デンマークに世界で一番とされるレストランが生まれるまでのプロセスには、現代を生きるわたしたちへの様々なヒントが溢れています。
豊富な食材で溢れているとは言いがたく、長い冬のある北欧デンマークでここでしか食べることが出来ない料理を作り上げるためにはどうすればいいのか?
シェフ、レネ•レゼピの創造へのアプローチは、日記や素材や料理•生産者のポートレイト写真から伺うことができます。
そして、デンマークを代表する料理を作り上げてゆくレネ自身が、マケドニア(旧ユーゴスラビア)出身の父とデンマーク人の母を持ち、二つの文化の混じり合う家庭で育ったということもとても興味深く思われます。
『料理』という枠を超えて独創的あるということはどのようなことなのか、その問いに充分答えてくれる魅力的な本です。