『食材を理解し、大切に扱うことは、その味わいを最大限に引き出すためでもあるが、同時に、次世代に確かな基盤を残すためにも必要不可欠であると私は考える。』
『新しい知識を得ることは、私たちをより責任感のある人間に、よりクリエイティブで、より社会的な人間にしてくれる。日々自分が理解し、そして人に共する食品の文化的、歴史的、社会的、科学的コンテクストを考慮する手段と新たな理解を与えてくれるのだ。』
『厨房のスタッフが興味深いジャガイモの調理法を見せてくれたが、それには興奮を禁じ得なかった。農家のセレンが、畑を全部刈り取って、何百という植物、草花や根菜の葉や雑草を丁寧に乾燥させていた。畑全体を凝縮して保存したような状態だ。うちのスタッフは、その中から干し草に似た草を選んでジャガイモをくるみ、さらに塩生地で包んで焼いた。まるで土地そのものから抽出されたエッセンスを活用するかのようなその調理法は、ジャガイモが実際に育った畑のエッセンスでローストするというのが、とても適切なように感じた。』
