今回、中野加奈子がインタビューの中で語ったことの中で印象的だったのは
Birbiraのスタジオとしての未来像。
多くのファンのいる中野の目指す理想のスタジオ。
それは、アートと社会の理想的な融和の形のようで
実現することを祈ってやみません。
わたしたちが手にする立体作品が、中野自身の受容と無垢の感情の形の
あらわれであるかもしれないことに、
今回の展示会で静かな感動を覚えています。
ご高覧ください。
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1.影響を受けたと思うアーティストについて教えてください。
高校生の頃、新宮晋、Andy Goldsworthyの作品をみて、
自然物と融合している彫刻に興味を持ちました。
現在はConstantin Brâncuşi、イサム・ノグチ、Alma Allenの様な
塊としての力強さの中に微細な動きを感じる作品が好きですが、
岡崎乾ニ郎、菅木志雄、Richard Tuttleの様な、
目には見えないとても曖昧とも思える感覚(感情)を、三次元の物体として、
ある意味もの凄く現実的に成立させている作品に興味があります。
2.アーティストとして生きる上で大切にしていると思うことがありましたら
教えてください。
アーティストとしてなのかはわかりませんが、自分の感覚を大切にすること
3.どんな風に一日を過ごされていますか?
アトリエでの時間の過ごし方について教えて下さい。
一日中音楽が流れています。
目の前の景色と頭の中に浮かぶ景色を眺めながら、
スケッチしたり、土と対峙したりしています。
4.今回の展示会で製作して頂いた、彫刻作品群のテーマについて教えてください。
展覧会をする上で、初めから具体的に作品のイメージが湧く時と、
開催するギャラリーの場、運営をされているギャラリストの方との対話から
イメージする時があります。
今回は初めて開催させて頂くと言うこともあったかもしれませんが、
後者のパターンで拡がりました。
アートと生活との距離が近く感じたからでしょうか。
今回に限らず、アートが日常を豊かにするものであるというのが
私のテーマでもあるので、今回はそう言ったことが相まって
家の中に好きな景色がうまれる様なアートピースを創りたいと思いました。
5.スタジオを今後拡大するかもしれないという構想を伺いました。
スタジオの未来像について具体的にお伺いしてみたいです。
様々な特質を持った人達が互いに尊重し合い、フォローやケアをし合いながら、
仕事をする喜びを感じられるチームが作れないかなと思っています。
大半の時間を費やす仕事(勉強)と言うものが楽しいものであって良いと思うし、あって欲しい。
理想論かもしれませんが。
自分自身の会社員時代が自分の未熟さから、
決して楽しいとは言い難いものだったこともあり、
あー今日も楽しかった!と思える仕事場に憧れがあります。
人は他者のほんの些細な仕草や言葉で救われることがあると私は思います。
そんなことを大切に思える人達と共に働けるスタジオが出来たら
幸せだなあと夢見ています。
1.Who inspired you?
When I was in high school, the works of Susumu Shingu and Andy Goldsworthy
got me interested in sculptures blending in with nature.
Now I like Constantin Brâncuşi, Isamu Noguchi and Alma Allen,
whose works feel like subtle movements in strength.
I am also interested in works that manifest invisibly,
ambiguous feelings (emotions) as real 3D objects, such as those of Kenjiro Okazaki,
Kishio Suga and Richard Tuttle.
2.What is the most important thing for you to live as an artist?
To respect what I feel.
3.How do you spend a day in your studio?
I play music all day.
I make sketches and work with clay,
enjoying the view in front of me and in my mind.
4.What is the theme of the works that you made for this show?
When I have a gallery show, there are two situations: getting a clear picture
from the beginning and getting an idea from talking with gallerists.
This show was the latter.
It might be because this is my first show in this gallery.
Or it might be because art and everyday life feel so close together there.
I also believe that art enriches our lives.
Along with all these things, I wanted to make, for this show,
art pieces that create people’s favorite views in their house.
5. I heard you might expand your studio. Tell us about your future plans.
I want to create a team in which people with various backgrounds respect
and help each other and feel joy in working.
We spend most of the time working (studying) so it should be fun.
It might sound idealistic though.
When I was an office worker, working was not fun at all (probably because of my immaturity).
So I have a dream to have a workplace where everyone would feel
that they had had fun at the end of the day.
I believe that sometimes simple words make you feel relieved.
It would be so cheerful if I could have a studio and work with people who value the same thing.